『小説を書く』という行為は、パソコンでもスマホでもプリインストールされているようなメモ帳を一つ開けばできます。
そういう意味では非常に敷居の低い趣味であり、多くの方に『すぐにできるからおすすめだよ!』と言いたくはあるのですが。世の中にはいろいろと便利なツール・ソフトウェアがあるもので、そういったものを活用すると日々の執筆活動がさらにやりやすくなります。
そこでおものべが実際にエロ小説を書くときに使っているツール・ソフトウェアを、まとめてご紹介しようと思います。
テキストエディタ『Simplenote』:クラウド共有可能の超軽量ソフトウェア
まずは文章を書くツールがなければ話になりませんね。
しかし冒頭でも『メモ帳を一つ開けばできる』と言った通り、小説を書く上でそこまで多機能なテキストエディタは必要ありません。各人の好みに合ったものを使えばいいかと思います。
(やたらめったら多機能なテキストエディタというのはエンジニアが使うものです)
その中でも私が使っているのは、『Simplenote』というちょっとマイナーなテキストエディタです。
Simplenoteの特徴
Simplenoteはクラウド型のテキストエディタで、パソコン-スマホ間でデータを共有できるタイプのソフトウェア。私は出先や布団の中などでふとスマホで執筆物の確認をしたくなることがあるため、クラウドによるデータ共有は必須条件としています。
この手のものだとEvernoteが有名ですが、SimplenoteはEvernoteと比較すると、機能がテキストのみ、画像やフォントすらないという非常に硬派な作りをしています。
(唯一、Markdown記法に対応しています)
しかしその分だけ軽い。小説の執筆ではテキストファイルの文字数が数万になることも珍しくありませんが、そうなると極端に重くなるソフトウェアが多いのが悩みどころでした。
『クラウド共有可』という条件下で大量の文章を書くことだけを考えるなら、Simplenote以上のソフトウェアは現状存在しないと思います。
……しかし実際問題、Simplenoteは他人におすすめしにくいテキストエディタです。
本当にテキストを書くだけの作りであり、画像も入れられず、フォントの変更もできず(Markdownで対応します)、Webクリップなんて当然存在せず、ノートのフォルダ分けすらない(代わりにタグで分類します)――あまりにシンプルすぎて汎用性に欠けるのです。
そこで参考程度ですが、以下で今まで使ったことのあるテキストエディタと、その使用感をご紹介しておきます。
今まで使ったことのあるテキストエディタの使用感
Evernote
クラウド型のテキストエディタとしては最も有名であり、私自身も最も長く使ったことのあるソフトウェアです。
- クラウドによるデータ共有が可能
私がテキストエディタを選ぶ上での必須条件です。 - それなりに多機能
表や画像、フォントなどリッチなテキストエディタにある機能はだいたい完備。それとは別にWebクリップがありがたく感じました。 - 機能は『それなり』止まり
以下でご紹介する『Notion』と比較すると、表作成の機能が弱い、MarkdownがWeb版のみなど、機能はだいぶ貧弱。ただし小説の執筆だけ考えれば十分使っていける範囲です。 - とにかく重い
Evernoteを使う上で一番のネックではないでしょうか? 1ノートで万単位の文字数になると目に見えて重くなり、文字を打つたびにラグが発生するのは大変なストレスです。
小説を書く場合、数万文字レベルになった時に生ずるラグが最大のネック。そうなる前にいちいちノートを分けるのも管理が煩雑になって好きではありません。
一時期通信エラーが頻発したことがあったので、それを機会に以下のNotionに乗り換えることになりました。私としては、とにかく動作の重さが改善されない限り、また使うことはないかと思います。
Notion
Simplenoteを使い始める一つ前に使っていたテキストエディタ。ざっくり素人目で言うなら、Evernoteと似たソフトウェアです(Evernoteとは違う独自の思想に基づいて作られているらしいので、こう表現すると怒る玄人もいそうですが)。
- クラウドによるデータ共有が可能
私がテキストエディタを選ぶ上での必須条件です。 - 非常に多機能
Evernoteとは比較にならないぐらい多機能です。豊富なテンプレートにより、データベースの作成やタスク管理もお手の物。Markdown機能、Webクリップも搭載。 - Evernoteと比較するとはるかに軽い
小説を書く上で最重要、私がEvernoteからNotionに乗り換えた最大の理由でもあります。 - テキスト編集の操作性に癖がある
テキスト編集がブロック形式という点が私にとってやりにくい。『書けなくはないけど、うーん』という気持ちが常に付きまといました。 - 数万字レベルの文章を一括でペーストしようとすると通信エラーを起こす
これは私の環境だけなのでしょうか。コーディングするときにだいぶ問題です。
多機能さと動作の軽さに惹かれて使ったものの、方向性が違うのでしょうか、私にとっては『かゆい所に手が届きそうで、届き切っていない』という感じがしたのでやめました。この後、現在使用中のSimplenoteに乗り換えます。
サクラエディタ
有名な多機能テキストエディタ。クラウド型ではないので現在は候補外です。
しかし単純なテキストエディタとして見るなら非常に優れたソフトウェアです。『クラウドでスマホと共有したい』と考えなければ、第一候補に上げてもいいと思います。
ただしあまりに多機能すぎるせいで、ただ小説を書くだけだと『牛刀をもって鶏を割く』感があって好きではなかった部分も。
(これは単に私の性格の問題です)
MicrosoftWord
多くの方のパソコンに入っているであろう文書作成ソフトウェア。クラウド型ではないので今は候補外です。
それと重い。あくまでもWordは文章作成ソフトウェアではなく、文書作成ソフトウェア。単に文章を書く人にとっては、データに余計なものが多いのです。
(今はMicrosoft 365やGoogleドキュメントなどクラウド型のオフィス系サービスもありますが、結局は重さが理由で使う気はしません)
ただし校閲機能は非常に便利。小説を書いた後にWordにコピペして、校閲だけやってもらうという使い方もありだと思います。
StoryEditor
小説執筆用のアウトラインプロセッサ。クラウド型ではないので今は候補外です。
(単純なテキストエディタよりも『全体の構成を組み立てる』ことに適したソフトウェアの呼称……らしいです)
ノートを階層管理できる、アイデアをまとめるためのテンプレートを完備しているなどがあって、物語を作るときにしっかりプロットを練りたい方にはいいかもしれません。
この手の小説執筆専門のソフトウェアは、それなりに種類があるみたいですね。
(私の場合、設定やプロットをしっかり作り込むタイプではなく、また公開場所もWebですので、この手の機能は不要です)
フルスクリーンのテキストエディタ
(名前は忘れてしまいましたが……)
『フルスクリーンで表示されるから執筆作業に集中できるよ!』といううたい文句のテキストエディタ。しかし私は作業中に結構いろいろなツールを使うので、フルスクリーン自体が合いませんでした。
余談
テキストエディタを探すときのコツは、『妥協すること』だと思います。凝れば凝るほど、完璧なテキストエディタなんて存在しません。
それにテキストエディタはあくまでも道具です。もちろん道具というものはそれなりに大切ですが、あくまでも『それなり』。テキストエディタを変えても小説の質が劇的に上がるわけでもありませんし、道具探しに耽って執筆作業が進まなかったら本末転倒です。
いろいろなテキストエディタを使って時間を消費してきた私だからこそ、『道具探しに時間を掛けすぎるのは良くない』と感じます。
サクラエディタ:コーディング時の処理をマクロで行う
小説を執筆するテキストエディタとしては候補外としましたが、それはそれとしてマクロに対応していますのでコーディングのときに使っています。
ATOK+共同通信社記者ハンドブック辞書:表記統一が楽ちん
IMEと、そこに取り込める辞書。
文章の表記を統一するために活用しています。これについては別の記事で詳しく解説しているため、そちらをご覧ください。

もちろん必須ではありません。プリインストールされているMicrosoft IMEで文章は書けますし、マンネリを打破したいなら無料で使えるGoogle IMEなどでも十分です。
Google Chrome:分からないことがあったらとりあえずググる
別に珍しいものでもありませんね。私はお仕事の都合上Googleのサービスを多用しているので、管理を一本化する意味でもGoogle Chorome派です。
いろいろと調べ物をする意味で必須ですが、その中でもピックアップすべきサイト(ページ)は以下のようなものでしょうか。
各種辞典(特に同義語・類語)
「この言葉をもうちょっといい感じの言葉に換えたいなぁ」――小説を書いているときにそんな風に思うことはたびたびで、作業中に同義語辞典は常に開かれていると言っていいでしょう。
Googleで『○○ 同義語』とググるので、辞典サイト自体をブックマークする必要はありません。他、言葉の意味や使い方に自信がないときに国語辞典を使うこともたまにあります。
文字数カウント
私は1日の作業ノルマを文字数で決めているので役立ちます。
Googleサーチコンソール・キーワードプランナー
SEO対策するキーワードを決めるときに使います。
『SEOって何?』という方は以下のページにて。基本的にWeb管理者向けのツールですので、使い方などの詳しい説明は割愛します。

Google Drive
本業・副業含めて、仕事用のファイルはだいたいここで管理しています。
特に小説を書く上で必要なファイルは以下ぐらいでしょうか。
- キャラクターの名前をまとめた表(←おすすめ)
意図せず過去に執筆した小説のキャラと同じ名前を付けてしまわないように、全てのキャラ名を表で管理しています。大量に小説を書くなら作っておいて損はありません。 - 分析したキーワードをまとめた表
SEO対策用。SEO屋さんならみんなやっていることですね。 - 電子書籍の構成表
私は小説を書くときに基本プロットを作りませんが、有料の電子書籍を出すときに限っては『似たり寄ったりな話ばかりになっていないか』などのバランスを見るために表で管理しています。 - 作業の実績表
進捗が一目瞭然になるように。
Azpainter2、GIMP:アイキャッチ画像の作成用
ホームページのアイキャッチ画像を作成するため。単純に小説を書くだけなら使いません。
Spotify:作業用BGMとして
作業用BGMに。
Youtubeミュージックもほんのちょっとだけ試しましたが、好きな曲が多く収録されていたのはSpotifyでした。
それとプレイリスト形式の配信というのは私にとって新鮮で、自分の好みを反映しながらも今まで知らなかった曲を紹介してくれるという点は結構好きです。
まとめ
執筆に際して起動しているソフトウェアをまとめてみましたが、特に必須と言えるのはテキストエディタ、次にブラウザぐらい。テキストエディタも端末にデフォルトで入っているメモ帳で十分ではあります。
しかし脇を固めてくれるソフトウェアもあるにはあるもので。そういうものをうまく活用して、効率的に、ストレスフリーに執筆作業を進めていきたいですね。
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