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SNS時代に創作者が個人サイトを持つ理由とは? 集客の視点から考える
かつて、創作者といえば個人サイトを持つことが当たり前でした。しかし、今や創作活動の主戦場は、X(旧Twitter)などのSNSや、Pixivなどの投稿サイトです。
この記事では、「今さら個人サイトを持つ必要なんてあるの?」という疑問に対して、集客という実用的な観点から整理していきます。
創作者が個人サイトを持つメリット
独自かつ継続的な集客チャネルとして活用できる
XなどのSNS、Pixivなどの投稿サイトは、瞬間的な拡散力という強みがあります。一方で、時間がたつと自分の投稿が流れて誰にも見られなくなってしまうという弱点も。
結論から先に言うと、個人サイトはGoogle検索などから継続的なアテンション(認知)が見込める独自のチャネル(経路)として機能します。マーケティングの視点で、もう少し詳しく見ていきましょう。
マーケティングファネルで見る「アテンション(認知)」の重要性
マーケティングには、「ファネル」という典型的な図式があります。

これは、顧客が商品を購入するまでのプロセスを段階的に整理したものです。つまり――
- 認知:顧客が商品を初めて知る
- 興味:商品に興味を持つ
- 検討:商品を買おうか検討する
- 購入:実際に商品を買う
この4段階の流れが必要だということ。ここではさらに簡略化して――
- 知ってもらう(認知・興味)
- 買ってもらう(検討・購入)
の2段階で考えてみましょう。要するに、顧客に商品を②買ってもらうには、まず顧客に商品を①知ってもらわなければ話にならないということです。そして、この図がファネル(漏斗)の形をしているように、実際に商品を買ってくれるのは、知ってもらった人のごく一部です。
これは、創作活動においても同じことが言えます。まずはその作品、あるいはその作者のことを知ってもらわなければ、「いいね」を押してもらえませんし、作品も買ってもらえません。
個人サイトはSNSとは違うチャネル(経路)で作品を知ってもらえる
多くの創作者は、自分の作品を知ってもらうために、XやPixivなどを使っています。もちろん、非常に効率的であり、妥当な選択肢です。しかし、XやPixivを訪れる人というのは、あくまでも「Xを使っている人」「Pixivを使っている人」でしかありません。
これに対して、個人サイトを訪れる人は「Googleなどの検索エンジンを使っている人」、例えば「(フェチの名前) 小説」で検索している人です。つまり、個人サイトを持つことで、新たなルートから自分の作品を知ってもらえるということです。
このように、チャネル(経路)は管理できる範囲なら多く持っておいて損はありません。
(例えば、これらのプラットフォームではアダルト系のイラストが原則検索エンジン載らないよう処理されています)
検索エンジンからの流入という点で、処理を任意に制御できる個人サイトは、大きな優位性を持っているといえます。
個人サイトは継続的に作品を知ってもらえる
もう一つ、個人サイトがXやPixivと大きく違う点があります。それは継続性です。
XやPixivといったSNSは、瞬間的な拡散力があります。バズをすれば、たくさんの読者に自分のことを知ってもらえるでしょう。しかし、時間がたつとすぐに投稿が埋もれてしまうという弱点もあります。SNSは短期決戦型です。
一方で、個人サイトは瞬間的な拡散力こそありません。しかし、Googleで「(フェチの名前) 小説」など検索してくれる人がいる限り、常に一定の人が訪れて、自分の作品を知ってもらうことができます。一度書いた記事やページが、数ヶ月〜数年単位で見られ続けることもあるでしょう。SNSとは反対に、個人サイトは長期決戦型なのです。
まとめると、XやPixivとは違う経路から、継続的に自分の作品を知ってもらえる――それが個人サイトを持つ最も大きなメリットと言えます。
創作者が個人サイトを持つデメリット
運営コストがかかる
個人サイトを運営するというのは、何かとコストがかかります。
- 更新・維持のための時間的コスト
- 独自ドメインの場合(後で詳しく説明)、ドメインやサーバーなどの経済的コスト
結果が出るまでに時間がかかる
個人サイトに安定して人が訪れるようになるためには、Googleなどの検索結果に表示されなければなりません。しっかり定期的に更新しながらでも、短くて半年、長くて2年~3年かかります。
それだけコストがかかりますし、ほとんど人が来ないにも関わらず更新をし続けなければならないというのは、精神的にも負担がかかります。
(実際、まとまった収益が出るまで個人サイトを更新し続けられる人は、全体の1割もいないと言われています)
更新されていないサイトは逆効果になり得る
更新されていないサイトは、読者にとってマイナスの印象を与えるリスクがあります。複数のプラットフォームを使って、かつそれらが整理されていない場合、「結局どこを見ればいいの?」と読者が迷子になってしまう可能性も。
結局、創作者は個人サイトを持つべきなのか?
ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、創作者は個人サイトを持つべきなのでしょうか。
その答えは「更新できるなら持ったほうがいい」です。SNSとは違うルートで、継続的に自分のことを知ってもらえるというのは大きな強みです。
しかしながら、「更新できるなら」のハードルはかなり高めです。更新の時間的コスト、(独自ドメインなら)サーバー代やドメイン代などの経済的コストもありますし、結果が出るまでは精神的にも相応の負荷がかかります。
あくまでも、昨今の創作者の活動はSNSが主流です。まずはそちらに注力し、余裕があるようなら検討するぐらいの心づもりでいたほうがよいでしょう。
作り直しを防ぐために、最初に決めておきたい個人サイトの方針
ここでは、個人サイトの具体的な作成・運営方法については言及しません。ただし、後々に作り直しが起きないよう、最初に決めておくとよい方針をご説明します。
コンテンツの内容は?
個人サイトを持っている創作者の中で、「有料作品の紹介があるだけ」「日記を書くだけ」という方がいます。もちろん、このような使い方も間違いではありませんが、集客(特に自分の作品を知ってもらう)という意味ではほとんど効果がない点にご注意ください。
しっかりとした効果を出すためには、目的に応じた作り方が必要です。
① 集客を目的とするなら:”実用的”なコンテンツを増やす
ここまでご説明してきた集客を目的として個人サイトを運営するなら、Googleなどで検索されて、さらにクリックされるようなコンテンツをつくらなければなりません。
そのためには、”実用的”なコンテンツである必要があります。さらに、SEO(検索エンジン最適化)を意識したキーワード選定やタイトル設計なども求められます。
② ポートフォリオとして使うなら:過去の作品や実績を整理する
依頼を受注するために過去に受けた仕事を見せたいという場合は、上述した「有料作品の紹介があるだけ」でも機能します。他、受注条件などの各資料があるとさらに効果的でしょう。
集客というよりは、ポートフォリオ的な運用と言えます。
③ ファンや創作者との交流を目的とするなら:ブログとして日々の出来事を書く
かつての個人サイトでよくあった形式です。現在はSNSで十分のため、この目的で個人サイトを持つことは少ないでしょう。
独自ドメインか、サブドメインか?
個人サイトをつくるには、大きく分けて2つのやり方があります。
- 【独自ドメイン】自分でドメインを取得して、自分でサーバーを用意(≒レンタル)して、自分でサイトを構築する。
- 【サブドメイン】サイト・ブログ制作サービスで無料で構築する。
(例.FC2、livedoor、アメブロ、Jimdo、Wixなど)
そのサイトが独自ドメインか? サブドメインか? は、URLを見れば分かります。
- 独自ドメインの場合:
https://(ホームページの名前).com - サブドメインの場合:
https://(制作サービスの名前).(ホームページの名前).com
https://(ホームページの名前).(制作サービスの名前).com
など。
例えば、このサイトのURL「https://kakiatume.com」は独自ドメインです。FC2で無料で制作するとしたらURLは「https://kakiatume.blog.fc2.com/」になります。
独自ドメインは、自分の名前で土地を買って、そこに家を建てるようなもの。サブドメインは、借りた土地の中に家を作るイメージです。読者からすればあまり気にならない部分ですが、運用面ではそれなりに大きな違いが出てきます。
独自ドメインのメリット・デメリット
○資産性がある
Googleなどの検索エンジンの評価(そのサイトを検索結果に載せるか否か)は、ドメイン単位で蓄積されます。独自ドメインを所有して育てると、安定した集客基盤として機能します。
×費用がかかる
ドメインの更新費用、サーバーのレンタル代などにより、だいたい月々1,000~2,000円ほどがかかります。
(アダルト要素のあるサイトは、サーバーのレンタル代が少し高めです)
×設定がやや複雑
ドメインやサーバーの設定、サイトの構築には多少の知識を要します。
サブドメイン(無料サービス)のメリット・デメリット
○お金が掛からない
FC2などの各サービスは無料のため、気軽に始められます。
○設定が簡単
自分でサイトを構築する場合と比較して、かなり簡単です。
×資産性はない
検索エンジンの評価は、ドメイン単位で蓄積されます。しかし、サブドメインはあくまでもサービスのドメインを間借りしているだけですので、その評価を完全に自分のものにはできません。解約すれば即座にリセットされます。
×サービス終了のリスク
大元のサービスが終了すれば、サイトは消えます。別のサービスを利用すればコンテンツの引越しはできますが、その時点で検索エンジンの評価はリセットされます。
「どちらを選ぶか」の判断基準
腰を据えて長期的に育てたいなら独自ドメイン、まずは手軽に試したいならサブドメインがおすすめです。自身のリソースと目的を照らし合わせて選びましょう。
ドメイン(≒サイト)の名前も慎重に
ドメインを変更すると集客面に多大な影響を与えることになるため、独自ドメインかサブドメインかは慎重に決める必要があります。
併せて、ドメイン名の変更にも同じことが言えます。
(例えば、kakiatume.comからkakiatumemasu.comにするなど)
ドメインはサイト名と紐付けて考えることが多いものですので、慎重に決めましょう。
もしもサイト名を変更する場合、ドメインをそのままにして、サイト名だけ変更するのが、SEO的に最も妥当な選択肢になります。例えば、サイト名が「カキアツメマスドットコム」なのに、ドメインは「kakiatume.com」になるわけです。
(少し気持ちが悪いと感じる方は多いのではないでしょうか?)
まとめ:個人サイトは可能性こそあるが、創作者はまずSNSに注力を
確かに、個人サイトは適切に設計できれば大きな武器になります。しかし、しっかり効果を出すことを考えると、運用のハードルはかなり高く、簡単にできるものではありません。
あくまでも、昨今の創作者の活動はSNSが主流です。出版社などの企業も、基本的にはSNSの数字を最初に参考にします。
個人サイトは、すべての創作者にとって必須ではありません。まずはSNSに注力して、余力があったり、伸び悩みを感じたりするようなら、検討するようにしましょう。